レッスンで子供たちに大人気のベートーヴェンの《エリーゼのために》を聴く度に思い出すのですが、自分にとって音楽で初めて鳥肌が立ったのが、この曲を聴いてでした。
小学校2年の時にこの曲をやることになり、最初に先生がお手本で弾いて下さいました。私はピアノの鍵盤の高音の方に立って聴いていましたが、後半の盛り上がり、Edim7/Aからクレッシェンドしていく所からガンガン鳥肌が立って、ペダルの響きで音量も上がってきました。当時家ではアップライトピアノでしたが、先生のグランドピアノの迫力は小さかった私にとってハンパなかったです(笑)。私は聴きながら前後にゆらゆらと揺れてしまうほど、衝撃を受けました。あの時の感動は今も忘れられません。
また、以前レッスンで《エリーゼのために》を頑張っていたRちゃんは、右手と左手が正しいリズムで合わせられないところがあったのですが、努力してできるようになった時は、私の方も飛び上がるほど嬉しかったです。
最初はできなくても、練習してできるようになった時に急に簡単に感じて、「何でこんな簡単なことができなかったんだろう」って思ったこと、先生も子供の頃にいっぱいあったよ、と時々言うことがあるのですが、頑張って成し得たことを生徒さんには誇りに思ってほしいです。
この《エリーゼのために》は実はバガテルとして書かれたのですが、バガテルとは、大したことないもの、つまらないものというような意味。でも全然そんなことない、古今東西多くの子供たちの心を掴んでいる珠玉の名曲です。